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科学技術の進展は,医療分野において革新的な進歩をもたらしています.医療機器の開発による新たな診断法の確立,再生医学や難治性疾患に対しての高度な治療技術の開発,標的分子をターゲットとした新薬の開発などが挙げられます.しかしながら,病気を患った人や家族に向き合う姿勢はいつの時代でも変わってはいけないのです.
また今日の医療は,多くの医療人の協力を必要としています.いわゆるチーム医療です.病気を煩った人を診断し,治療方針をたて,治療にあたる主体は医師ですが,看護師,薬剤師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,管理栄養士,臨床工学士,診断放射線技師,診断情報管理士,医療クラークの方々の協力が欠かせません.それぞれの立場を尊敬する気持ち,相手の立場を理解する心が大事です.
一方,産業・経済の発展は都市への人口の集中と地方の過疎化をもたらしました.経済の構造や人の価値観の変化は,少子高齢化を促進しました.よって,地域医療に対する対策も重要な課題になっています.また情報化社会の進展に伴う社会の複雑化は,学生に対して,単に学問や技術を教授するだけでなく,コミュニケーションを含めたメンタル面での支援を必要としています.
さてこのような状況下,医療を担う学生を育てる大学では,「人々の健康を守り,生き甲斐のある社会を実現する」ために,「心豊かな医療人を育成する」ことが強く求められています.本学では,医学,薬学,看護学を学ぶ学生が集う杉谷キャンパスに,平成18年8月に「保健医療人教育室」を設置し,広く「よき医療人の育成」に取り組んでいます.すなわち,医学教育学講座の廣川慎一郎准教授をコアとして,1.学生教育支援,2.地域人材育成支援,3.医療人教育支援,4.専門教育支援を行っています.
1.学生教育支援では,「保健管理センター」や「トータルコミュニケーション支援室杉谷分室」と連携し,学生の就学上の問題の解決を中心に学生生活の支援を行っています.入学した学生全員が意欲をもって学生生活を送り,社会に貢献できる人材として育つように,メンタルサポートを含めた生活,勉学の指導や留年生の復学サポートを行っています.2.地域人材育成支援では,地域医療を担う医療人の育成という地域のニーズを受け,「地域医療支援学講座」,「附属病院総合診療部,臨床研修部」等と連携し,地域医療教育プログラムの企画,地域医療に関する学外実習の実施に取組んでいます.3.医療人教育支援では,将来地域医療を担うものが共通の認識をもち,「よき医療人」を目指すことを目的として,医学,薬学,看護学を学ぶ1年生の合同で学ぶ「医療学入門」を企画しています.この講義では学部から多彩な講師を招くとともに,福祉医療施設における介護体験実習を行っています.また医師,薬剤師、看護師の卒前,卒後教育計画の調整にも参画しています.特に医学教育では,PBLテュートリアル教育やFDのサポート,国内外との医学教育交流を行い,世界に発信できる「富山型」医療人教育を進めています.4.専門教育支援では,専門各分野の教育支援とともに,医療人教育指導者の養成や大学院教育につながる方策の検討を行っています.
以上の方針と活動を通して,我々保健医療人教育室構成員は,「心豊かな医療人の育成」を目指して,日々努力しています.教育支援は,研究と異なりなかなか成果が見えない面があります.保健医療人教育室の活動に対してご協力と,ご支援をお願いいたします.また学生の皆様は気軽に,講義実習棟1階の「保健医療人教育室」を訪ねてみて下さい.室名は厳めしいですが,中の先生やスタッフの方は優しいですよ.
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