日時:令和2年10月6日(火)14:30~18:40
場所:ホテルグランテラス富山 4F

第52回フォーラム富山「創薬」が令和2年10月6日(火)に開催され、大学や製薬会社の研究者、医療関係者、富山県関係者など94名が参加した。コーディネーターは富山大学薬学部の大貫義則客員教授が務めた。

今回は「医薬品開発に繋げる製剤物性評価研究の最前線」をテーマとして企画し、併せて、コロナ禍の対応として、会場内におけるソーシャルディスタンスの確保、オンラインによる講演、参加者の検温と手指消毒などを施したうえで実施された。

研究会では、「製剤技術」を取り上げ、「学」と「産」の研究者からの講演により現状における課題や最新の研究状況について議論した。

講演は「製剤物性の評価技術の総論」と「事例研究紹介」の2つに大きく分けてプログラムを構成した。
「製剤物性の評価技術の総論」では、今日の製剤物性評価に用いられる分析技術や研究課題の総論について、武田薬品工業株式会社の竹内祥子 主任研究員から「製剤設計において注意すべき製剤物性とその評価」について(オンライン講演)、星薬科大学薬学部の米持悦生 教授から「医薬品開発を見据えた製剤物性評価法総論」についてご講演をいただいた。
「事例研究紹介」では、製剤開発における重要な検討課題について、信越化学工業株式会社の菊地伸吾 研究員から「セルロース誘導体を用いた固体分散体の設計」について、日医工株式会社の熊田俊吾 開発・企画本部製剤開発部長から「口腔内崩壊錠の製剤物性評価の事例研究」について、シオノギファーマ株式会社の野網 誠 技術開発本部生産技術部製剤部門製剤1グループ長から「打錠障害を解決するための事例研究」(オンライン講演)についてご講演をいただいた。

各講演後の質疑応答では、講演に使用されたプレゼンスライドの一部を事前に配布したこともあり、特に県内製薬企業参加者から社内における現状業務の問題点や課題解決方法について多くの質問があり、学と産、産と産の間で活発な議論が展開された。
また、参加者アンケートでは、「製剤研究者による物性研究の苦労・試行錯誤・新たな試みなどが非常に興味深かった」「実務に近い講演が多く、今後自社でも取り入れたい項目が多くあった」などの回答があり、今回のテーマ設定が好評を博した。
さらに「医療現場で実際に薬を取り扱う方の話(どのような剤型がよいか、どのような薬がほしいか)を聞きたい」「リモートの講演でも特に問題ないことがわかった」との意見もあり、今後のフォーラム研究会への課題や方向性も示された。

各講演終了後、県内で展開されている「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアム事業のうち「富山県・スイスバーゼル交流事業」について、富山県厚生部くすり政策課振興開発班の森安祐成班長から交流事業の背景について熱心にご説明いただいた。
続いて、この事業で派遣された若手研究者として、富山大学学術研究部薬学・和漢系(薬学)の藤井拓人 助教と富山県立大学工学部の河西文武 講師から研究成果の発表があった。

各講演要旨についてはタイトル(緑字)をクリックしてください(PDFファイル)

テーマ『医薬品開発に繋げる製剤物性評価研究の最前線』
大貫 義則(富山大学薬学部 客員教授)

特別講演

講師:竹内 祥子(武田薬品工業株式会社 主任研究員) 座長:大貫 義則(富山大学薬学部 客員教授)

講師:米持 悦生(星薬科大学薬学部 教授) 座長:熊田 重勝((公財)田村科学技術振興財団 事務局長)

一般講演

講師:菊地 伸吾(信越化学工業株式会社 研究員) 座長:岡田 康太郎(富山大学薬学部 客員助教))

講師:熊田 俊吾(日医工株式会社 開発・企画本部製剤開発部長) 座長:酒井 秀紀(富山大学学術研究部薬学・和漢系(薬学) 教授)

講師:野網 誠(シオノギファーマ株式会社 技術開発本部生産技術部製剤部門製剤1グループ長) 座長:細谷 健一(富山大学学術研究部薬学・和漢系(薬学) 教授)

森安 祐成(富山県厚生部くすり政策課振興開発班 班長)

藤井 拓人(富山大学学術研究部薬学・和漢系(薬学) 助教)

河西 文武(富山県立大学工学部医薬品工学科 講師)

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