日時:令和3年10月12日(火)14:30~18:45
場所:Zoom配信により開催

今回は新型コロナウイルス感染症の影響が継続する中で、参加募集期間中に会場とZoomによるオンライン同時配信(ハイブリッド方式)から、全面的なZoom配信に切り替えて開催することとなった。
富山大学附属病院の佐藤 勉教授のコーディネートにより、「標的探索の最前線から医薬品開発へ」をテーマとして、医薬品開発のための魅力的な標的の探索方法などについて医学と薬学の専門家からの講演を基調に、産学官約70名の参加者の間で情報交換を行った。

特別講演では、新規作用機序による抗菌薬の開発のため多くの研究者と共同研究を展開されている岩手医科大学薬学部の阪本泰光准教授をお招きし、DPP7及びDPP11を標的分子とするSBDDによる抗菌化合物の開発についてご講演いただいた。

一般講演では、①近年において血液悪性疾患の治療標的として着目されているDPP8/9阻害剤の治療薬として優れた可能性を追究しておられるコーディネーターの佐藤 勉教授、②生体組織中で視認困難なリンパ管の新生・増殖に関与するAREGの発見をベースにベンチャー企業とともに嚢胞性リンパ管腫の治療薬開発の研究に励んでおられる富山大学医学部の山本誠士講師、③川崎病について「エピジェネティックス」の観点から病態に対する理解を深め健康・医療の質の向上に向けた治療シーズ創出を目指しておられる富山大学附属病院の廣野恵一講師、④多発性骨髄腫などの悪性腫瘍の新規治療薬の開発に向けてヒストン脱アセチル化阻害剤の臨床応用に励んでおられる富山大学附属病院の菊地尚平特命助教の各講師から、新たに見つかった標的に対する阻害剤などに対する構造解析やそこから発展する化合物合成について大変興味深い話があった。

研究会後のアンケートでは、「疾患に対するアプローチが紹介され参考になった」「創薬開発について具体的な取り組みが参考になった」などの感想が寄せられ、さらに今後の話題として、「拡酸などの中分子医薬品や機能性食品」「新型コロナウイルス感染症治療薬の開発状況」「医療現場から望まれる創薬」などの要望があった。
また、今回の全面Zoom配信については、「参加しやすい」「今後もWeb配信を続けて欲しい」「講師とのディスカッションができなくて不満」などの意見があった。
今後の運営にあたり、より多くの参加を促すためにはWeb配信も有効であるが、当フォーラムの本来の趣旨である「情報交換の場、出会いの場」を如何に発展させていくのかが課題となる。
次回からは新型コロナウイルス感染症の影響が終息し、対面による講演会や交流会の実施など研究会本来の姿となることが望まれる。

各講演要旨についてはタイトル(緑字)をクリックしてください(PDFファイル)

テーマ『標的探索の最前線から医薬品開発へ』
コーディネーター:佐藤  勉(富山大学附属病院教授)

特別講演

講師:阪本 泰光(岩手医科大学薬学部准教授) 座長:松谷 裕二(富山大学学術研究部薬学・和漢系(薬学)教授)

阪本 泰光

一般講演

講師:佐藤  勉 (富山大学附属病院教授) 座長:水口 峰之(富山大学学術研究部薬学・和漢系(薬学)教授)

佐藤  勉

講師:山本 誠士(富山大学学術研究部医学系講師) 座長:岸  裕幸(富山大学学術研究部薬学・和漢系(薬学)教授)

山本 誠士

講師:廣野 恵一(富山大学附属病院講師) 座長:早川 芳弘(富山大学学術研究部薬学・和漢系(研究所)教授)

廣野 恵一

講師:菊地 尚平(富山大学附属病院特命助手) 座長:佐藤  勉 (富山大学附属病院教授)

菊地 尚平

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